17日金曜日に東京で「申請取次関係研修会」を受けてきた。
何を取り次ぐかというと、外国人の日本への入国に際して必要なことを本人に代わって入国管理局などに対して行う申請を取り次ぐ。
本来は日本に入国する(した)外国人や、日本に住んでいる外国人が一度出国してまた日本に再入国するには本人が入国管理局に出頭して審査を受けなければならない。
しかし、これを完全に原則どおりに行うと入管はいつも混雑するし、外国人も困る。
そこで、一定の資格を持った弁護士・行政書士に「申請取次」の資格を与え、この者にその外国人に関する手続きをさせることにより、外国人本人の出頭を免除しようというのがこの制度の趣旨である。
「国際化社会」と言われて久しい。善良な外国人が日本に来てくれるのは観光業や技術発展のために大歓迎である。
しかし、悪事を企てるために入国をたくらむ外国人もいる。これは断固阻止しなければならない。
一般的になにかで利益を得ようとするのであれば、利益を得ようとする側から行動を起こすのが通常である。
だから、官公署に対して「税金や年金を滞納するとすぐにお役所が動くのに、年金をもらえるようになったときはなかなか年金事務所(旧・社会保険事務所)は動いてくれない」などと批判する人もいるが、上記原則から言うと筋違いである。
なので外国人が日本に入国しようとするときなども外国人のほうから積極的に行動しなければならない。
…が、この手続きは日本語が分かっている人間でも難しい。ましてや日本語がよく分からない外国人にとってはなおのこと難しい。そのことで善良な外国人が不利益を受けるのは人権問題といってもいい。
そこで申請取次の資格を持った者が必要とされてくる。
実際の講義の内容は非常に難解でここで書くと超長文になる。なので割愛させてもらう。
ちなみに、今回は受講者が700人近くおり、しかも北は北海道から南は沖縄まで文字通り全国の行政書士が受講しに来ていた。
通常はこの半分程度くらいだし、文字通り全国から集まってくることもない。なにも東京でしか講習をやっているわけではないからである。
こんな風になったのは、この行政書士連合会が行うこの研修会の方式に次回から変更がなされるからである。
ニュースでも何度も報じられているように、不法入国・滞在をし摘発される外国人、違法であることを知りながら関係書類を偽造するなどしてこれを幇助した申請取次資格者などの摘発が近年続発している。
そこで、次回の新規に申請取次者資格者になろうとする研修から研修の最後に試験を科すことにし、一定水準を満たせなかったものには修了書を出さないこととした。(つまり、不合格になると再度初めから受けなければならない)
だから今回の研修は「駆け込み」が多かったというわけである。
ちなみに私の場合は、去年の段階ではまだ開業から6ヶ月たっていなかったから受けなかった。特に開業直後はお金がかかるものである。新潟から東京までの交通費も結構馬鹿にならない。
今回受けることにしたのは、「駆け込み」というよりも、私のところにも申請取次の相談がきたことがあったからである。そのときのケースはすでに申請取次の資格を持つ先生を紹介した。
今回の研修は10:00~17:00までの長丁場であったが、覚えるべき内容が多すぎて個人的にはこれだけでは不足だと思う。この不足分は自ら補わなければならない。
知識が不十分なままこの業務を行うと、誤った処理をした際に、まっとうに生活している外国人の人生を狂わせ(本来日本で就職できるはずだったのに出来なくなる。日本人配偶者とその子どもに会えなくなるなど)また、悪質な外国人を入国させてしまうことにより、間接的に悪事に加担してしまうこともありうる。
特に後者の場合、「相手が嘘を付いているなんて知らなかった(だから自分は悪くない)」は通用しない。
前者の場合も後者の場合も、自分自身の問題だけではすまない。行政書士そのものの信頼を失墜させ、多くの人に迷惑をかける可能性が大いにある。
なので、この仕事をするに当たっては、十分な知識を持つこと。そして絶対に誘惑や脅迫に屈しないことが必要であると思う。
さて、今回この会場まで行くに当たっては、行きは新幹線で帰りは高速バスを使った。
高速バスにいたっては今回がはじめてである。
最近は便利になったもので、新幹線も高速バスもネット上で予約を行うことが出来る。クレジットカードを使うことが出来ればよりスムーズに行うことが出来る。
これに関する情報は検索エンジンで「新幹線 予約」「高速バス 予約」などで調べればすぐに得ることが出来るであろう。
新幹線のほうはネット上で予約を行い、一定の大きさ以上の駅の券売機で画面にタッチしたりクレジットカードを入れるだけで購入することが出来る。
高速バスのほうは、コンビニの端末で同様のことをして出てきた紙をレジに持っていけばあとは店員さんがチケットを出力してくれる。ちなみに新幹線のと同じクレジットカードを使って購入した。そのほうが金銭管理がやりやすいからである。
帰りに高速バスを選んだのは、単に「安いから」 行きは時間的にきついので新幹線にし、帰りは新幹線の倍以上の4時間半ほどかかるが、金額としては新幹線の特急料金相当を浮かせられるのでこちらにした。
新幹線は自由席だが、平日の朝から燕三条駅から乗車して終点の東京駅まで行くので、確実に席に座ることが出来る。いつかは「グリーン車でノートパソコンで仕事しながら移動」する必要のあるくらい忙しい人間になりたいものである。(ただ単に忙しいだけなのは御免だが)
いまはもちろんそんなことはないので自由席で十分である。
帰りの高速バスはもともと完全予約制で10日前に予約した際にはあと5席しか残っていなかった。
一般道の路線バスのようにつり革につかまって…などというのはありえない。だからこちらも必ず座ることが出来る。
新潟県人である私にとって東京の路線や駅構内はまさに迷路である。
研修の案内に乗り換えは書いてあったが、それでも不安になるくらい駅内が広い上に複雑だった。
今までやったゲームのマップやダンジョン(地下や塔等で迷路状のものをいう)はいまだにほとんど覚えているが東京の路線や駅構内の構造はとても覚えられそうにない。
実際に行ってみるとあっさりと目的地点を見つけられたが、ほとんど行ったことないところで時間ぎりぎりのスケジュールを組むのはいいこととはいえない。なので、余裕を持ってスケジュールを組んでいたが正解だったと思う。
池袋から19時発の高速バスに乗り、三条燕で降りたのは23時15分ごろであった。その後、燕三条駅に停めていたNS50Fに乗るまで10分以上歩き、家に着いたのは0時を過ぎてからであった。
(家から燕三条駅までは車ではなくバイクを使った。駐車料金を少し浮かせたかったのと、ちょうど車の車検の時期が来ていたからで、私が新潟にいない間に車検をしてもらった)
(なお「燕三条」と「三条燕」の二つの表記があるが、これは誤記ではない。「燕三条」表記なのは上越新幹線の駅とJR弥彦線の駅で、「三条燕」表記なのは北陸自動車道のICと高速バスのバス停名である。この地点は三条市と燕市の市境に近い)
今後は研修会終了時に交付された修了書などの書面をそろえて行政書士会に申請取次を行うための申請をすることになる。もちろんその間も、その後も勉強は欠かすことはできない。勉強が十分であると思えるようになってから業務用ページに申請取次のことを載せるつもりである。
大塚行政書士事務所 http://gyousei.ohtsuka-office.jp/index.html
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