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「車のエンジンがかからないの」(長文注意)

先日、仲間の行政書士の先生から「久しぶりに乗った車のエンジンがかからなくなった」という電話が来た。

もう少し話を聞いてみるとこのような状況だった。
結構長い間乗っていなかった車で、実家から(先生の)事務所まで走ってきたが、再度エンジンをかけようとしてもかからなくなっていた。

バッテリーは正常で、セルモーターも普通に回る。燃料計は真ん中よりも少し下を指しており、ガス欠ではない。

既に別の知り合いにこの話をしており、原因は燃料ポンプの故障だろう。とのこと。
私もさっきのお話からこれを疑っていたが、どうして燃料ポンプが「突然死」したか分からない。

そこでエンジンがかからない原因が本当に燃料ポンプ不良なのかどうかを確定する必要がある。
そのためには、燃料ポンプに来ている配線に電気が来ているかどうかを調べなければならない。電気が来ていれば燃料ポンプの不良が確定、もしも来ていなかったら別なところに原因があるということになる。

先生は電気が来ているか確かめるためのテスターをもっていないとのこと。
私はデジタルとアナログのテスターをもっているので、それを調べて欲しいということだった。

調べる方法は、自動車本体のカプラー(コネクター)と燃料ポンプのカプラーを外して、自動車本体側にテスターを当てて、キーをまわしてみて、その際電気が来ていれば燃料ポンプの故障。そうでなければそれ以外の故障ということになる。

先生は私に「修理してまた走れるようにする」ことまでは求めていなかった。燃料ポンプが壊れているのさえ確定することが出来れば、燃料ポンプを手に入れてきて直すことが出来る。
このチェックを怠って燃料ポンプを買ってしまうと、「燃料ポンプを新しいのに変えたのになおエンジンがかからない」(本当は別なところが故障しているから)ということになり、燃料ポンプが無駄になる。

なお、この車は20年近く前のホンダの軽自動車で、走行距離はそれほどでもなく、外見は大変きれいである。


ところで「車のエンジンがかからない」と聞いた際に、2chで有名なコピペを思い出した。
それを以下に示す。


522 :おさかなくわえた名無しさん:2008/08/27(水) 13:20:31 ID:W+wGIGjq
女『車のエンジンがかからないの…』
男『あらら?バッテリーかな?ライトは点く?』
女『昨日まではちゃんと動いてたのに。なんでいきなり動かなくなっちゃうんだろう。』
男『トラブルって怖いよね。で、バッテリーかどうか知りたいんだけどライトは点く?』
女『今日は○○まで行かなきゃならないから車使えないと困るのに』
男『それは困ったね。どう?ライトは点く?』
女『前に乗ってた車はこんな事無かったのに。こんなのに買い替えなきゃよかった。』
男『…ライトは点く?点かない?』
女『○時に約束だからまだ時間あるけどこのままじゃ困る。』
男『そうだね。で、ライトはどうかな?点くかな?』
女『え?ごめんよく聞こえなかった』
男『あ、えーと、、ライトは点くかな?』
女『何で?』

523 :続き:2008/08/27(水) 13:21:37 ID:W+wGIGjq
男『あ、えーと、エンジン掛からないんだよね?バッテリーがあがってるかも知れないから』
女『何の?』
男『え?』
女『ん?』
男『車のバッテリーがあがってるかどうか知りたいから、ライト点けてみてくれないかな?』
女『別にいいけど。でもバッテリーあがってたらライト点かないよね?』
男『いや、だから。それを知りたいからライト点けてみて欲しいんだけど。』
女『もしかしてちょっと怒ってる?』
男『いや別に怒ってはないけど?』
女『怒ってるじゃん。何で怒ってるの?』
男『だから怒ってないです』
女『何か悪いこと言いました?言ってくれれば謝りますけど?』
男『大丈夫だから。怒ってないから。大丈夫、大丈夫だから』
女『何が大丈夫なの?』
男『バッテリーの話だったよね?』
女『車でしょ?』
男『ああそう車の話だった』
女『もう、男って人の話聞かないんだから』
男『ごめん、ごめん。で、ライト点く?』
女『やっぱ怒ってんじゃん』
男『怒ってないってば』
女『絶対怒ってる。何カリカリしてるの? 人が大変な時に!』
男『いや、俺はただライトが付くかどうかを…』
女『話を逸らさないで! ライトがどうこうじゃなくて今あなたの話をしてるの!』
以上


このコピペは各所に転載されていて、そこで内容について、紹介、議論がされていたりする。
どこの議論でもだいたいこのような見解が出ている。

男性はこの車の故障状況を診断し、エンジンがかかるようにしようとしている一方で、
女性は「あなた私を迎えにきてよ」と暗黙のうちに要求している。
だからこのようなちぐはぐなやり取りになっていると。

私は、男性の方の故障診断順序が少しおかしい(本当はキーをまわしてセルが回るかどうかと、どういう状況でエンジンがかからなくなったかを真っ先に聞くべきで、これの成否でその後の故障箇所診断の方向性が大きく変わる)のが気になった。
が、それ以上に気になったというか問題なのは女性側の態度である。
迎えに来て欲しいのであれば、明確にそうお願いすればいいのである。実際男性が迎えにいけるかどうかは別として。

先生がこのような女性みたいな人だったら、冒頭の状況は何一つ把握できなかっただろう。というか、故障診断そのものを拒否する。(引用コピペ文内の女性側発言で唯一状況把握に使えそうなのが赤字で示した「昨日まではちゃんと動いてたのに。」だけというのは本当にあきれてものが言えない)

車は故障状態のまま先生の事務所に停めておけるとのことなので、後日調査に行くことにした。

そして、後日。
持っていく物はテスターだけでよいように思える。しかし、カプラーに手が届きにくいという話だったので、必要であれば周りを分解できるように私の「バイク整備工具セット」(重量15kgくらい)をもっていくことにした。

この車のエンジンと燃料タンクははミッドシップ型で後ろにあり、燃料ポンプは燃料タンクのすぐ上にあった(四輪では一般的な方式)
メンテナンス用のゴムふたを外すと燃料ポンプとカプラーが見えるようになるが、カプラーに指が入りにくくて困っていたとの事だった。

細めのマイナスドライバーなどでこじってカプラーを外すことが出来た。
カプラーにテスターを接続してキーをまわしてそれで電気が来ていれば、燃料ポンプ不良が確定してこの件は終了。

しかし、電気は来ていなかった。となると、他の場所に原因があるということになる。

可能性としては大まかに
1、ECU(エンジン制御用コンピュータ)不良
2、配線不良
3、ヒューズ切れ
が考えられる。

1のECUの指令で燃料ポンプ起動・停止の信号が出ている。しかし、先生によるとこの車のECUは前に交換したことがあるとのこと。
2の配線不良の場合、単なるカプラー抜けから経年劣化による配線切れなどいろいろあり、問題箇所の発見が極めて難しい。
3のヒューズ切れの場合、そもそもなんでヒューズ切れしたのかを突き止めないと、切れたヒューズを交換してもまたヒューズが切れることになる。

まず、ヒューズボックスをみることにした。四輪車のヒューズは電気系統ごとに別れており、大体6から12系統くらいある。例えば、「ライト」「ウインカー」「ランプ(メーター灯や室内灯)」「I/G(イグニッション=エンジン点火系統)」「ECU」「ABS」「パワーウインドウ」「ACC(アクセサリ=エンジンキーONで電気が取れるシガーライター)」「エアコン」「ワイパー」などである。

ここで点火に関係ありそうなのはECUとI/Gくらいである。これだけはしっかり確認したが問題なかった。あとで分かったことだが「ランプ」のヒューズが切れていた。現段階では切れていたところでこれは関係ないと判断しただろう。

次に配線不良とECUの初期不良(こげた臭いとかしているかもしれない)を確かめるのに
座席よりも後ろの部分の内装や鉄板類を二人で分解しまくった。

先生は「こんなに分解したことないし、元に戻せる自信が無い」と心配していたので、
私は「全部覚えているから大丈夫」と返しておいた。

出来る範囲の目視確認では配線も正常のように見えた。ECUのようなコンピュータ系の近くでテスターを当てるのは避けた。そのせいでコンピュータが壊れる可能性があるからである。

私がいろいろなチェックをしている間、先生がネット上のこの車の整備日記のようなものを次々と見つけて印刷してもってきてくれたが、今回の件で役に立ちそうなのはないようだった。

少し休憩して、水飲んでから再度印刷された内容をチェックしてみた。
次のような記載があった
「燃料ポンプが固着すると「ランプ」のヒューズが飛ぶ」
長期間乗らなかった車なので、ガソリンが劣化する→燃料ポンプが固着する→ランプのヒューズが飛ぶ→燃料ポンプのところに電気が来なくなり、ポンプが作動しない。
ということがありうる。

早速「ランプ」のヒューズをチェックした。ヒューズは切れていた。このとき初めて知った。さっきの情報が無かったらこのヒューズ切れは重要視しなかっただろう。

新品のヒューズを取り付け、燃料ポンプまで電気が来ているかチェックしてみた。
来ていた。

燃料ポンプのカプラーをつけて再度セルを回してみた。エンジンはかからない。
ポンプが正常ならキーをまわしたときにポンプから動作音がするとのこと。私はここに来てからそれを一度も聞いていない。

もう一度休憩して、この車に何が起きたのか推理してみた。

1、先生が久しぶりにこの車を出して、事務所まで走ってきたときはちゃんと走ってこれた(燃料ポンプは動いていた)でも、そこから再度エンジンかけて走ろうとしたときにエンジンがかからなくなっていた。

2、「燃料ポンプが固着すると「ランプ」のヒューズが飛ぶ」
3、私のバイク乗りとしての経験上、長い間バイク乗らないでいると燃料系の狭い部分が燃料の劣化によりふさがったり固着することがある。

状況が読めてきた。
先生が久しぶりにこの車を動かした際に、燃料が劣化しており燃料ポンプが固着しかけていた。
固着しかけていたポンプを動かし続けたために「ランプ」のヒューズが切れる寸前までいっていた。…が、少なくとも事務所までは持った。
再度エンジンをかけたときに「ランプ」のヒューズに通電した瞬間にヒューズが切れた。寿命寸前の電球が電気をつけた瞬間に切れるのと同じ理由である。
ヒューズが切れたから燃料ポンプが動かなくなり、エンジンがかからなくなった。

ということではないのだろうか?

しかし、ヒューズを交換して、ポンプまで電気が来るようになってもポンプが動かない、されとて再度ヒューズが切れないのもおかしな話である。

まぁ、この段階までくれば「ポンプまで電気が来ている」状況にはなっているわけだし、あとは燃料ポンプ交換すれば大丈夫でしょう。

……
……これ、もしかしてポンプ直せるんじゃないか?とふと思った。

このポンプ、あとは新品にしろ中古品にしろ、良品に交換するだけである。
そうしたらこのポンプは捨てられることになる。どうせ捨てられるのなら完全に壊れるかもしれないけど…。

先生に固着の旨を話し、「ポンプのあたりを叩いてショックを与えれば固着が直るかもしれない。直らなければこのポンプは捨てるだけなんで……賭けてみますか?」

私はプラスチックハンマー(ハンマーの頭部分だけがプラスチックで出来ているハンマー)でポンプの上側を何度か強めに叩いてみた。

再度私がキーをひねる。車は何事も無かったように息を吹き返した。
特にエンジンから異音もみられない。アクセル踏めば安定してエンジン回転があがる。

正直言って自分でもこんなにあっさり直るとは思わなかった。

結果論で言えば、「ランプ」のヒューズを交換してメンテナンス用ゴムふたを外してプラスチックハンマーで叩いてセルを回せば直ったということになる。
修理に3分もかからないし、要する費用はヒューズ1個だけである。

一見「簡単な仕事」に思えるが、それは結果だけみたらそう思うだけで、実際は容易ではないのは、ここまで長文で書いたとおり。

このブログ、私が車庫証明やっている関係上、自動車ディーラーさんが読んでくださっていると思う。
例えば、これと同じような故障を直して、「エンジンかかるようになりました。交換した部品はこれ(切れたヒューズ)です。工賃は3万円です」なんてこと言って、お客さんから「高すぎる!」と言われたプロの方もいらっしゃるのではないか。

前述したとおり「エンジンがかからないの」で考えられる原因というのはいくらでもある。それを原因を特定して適切な修理をするというのは時間がかかるし経験と技術も必要である。プロに対して支払うお金はこれに対する対償だ…と考えられる人間はきっと多くないと思う。
それどころか「エンジンがかからないの」コピペのようなお客さんに苦労させられているプロの方も多いのでないのだろうか。


この後、覚えていたとおりに部品を元に戻し、試運転を兼ねて一緒に昼食をとりに行った。
昼食後の再始動も問題なく出来、特に異常を感じることも無く事務所へ戻ることが出来た。

数日たった今も、調子が良いとのことである。



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法規制と自主判断について思うこと

最近「コンプガチャ」なるものを法律で規制したほうがいいのでないかという話が出ている。
このコンプガチャというのは、オンライン上のゲームの中でお金を払うとランダムでアイテムが出るというものである。
このゲームの中のお金そのものは仮想通貨だが、この仮想通貨をゲームの中で使うためには現実のお金をクレジットカードで振り込むなどして送金しなければならない。

つまり、これをやるためには現実のお金が必要になるということである。
ランダムでアイテム(これはそのゲーム内で使うことが出来るもので、現実では使えない)が手に入るということは、アイテムが重複したら損だと感じるし、どうせならアイテムを全部集めてしまおうと考える人が出てくることは自然なことだと思う。
ここに一つ仕掛けがある。このアイテムの中には「レアアイテム」というのがあって、これはまれにしか出てこない。
そうすると普通のアイテムは重複するがレアアイテムが簡単に出てこないので、簡単に全部集まらない。
集めるためにドンドンお金を使う…。という流れになる。

大人だったらお金使いすぎて困ったら自己責任ということになるのだろう。
しかし、子どもだったらどうか。子どもにはまだこのような判断を求め、その結果をすべて「自己責任」とするには無理があるのではないか。
子どもがクレジットカードを使ったりして(親のを勝手に使ったりするのだろう)月10万円使ってしまったケースもあるそうである。

そこで法規制がかかる前に、このサービス提供側が自主的にそうならないような工夫をしようという動きが出てきた。

ところがとあるテレビのコメンテーターがこのような発言をしている。要約すると以下のとおりである。
1、私はゲームのことはよく分からない
2、このようなことは家族や学校のしつけによってこのようなお金の使い方を回避するべきである
3、安易に法規制をすべきでない

とのことである。
2、でしつけにより子どもに自主判断の能力をつけさせて高額課金を避けよという。
しかし、どの程度のしつけが出来るかはその子の置かれた環境によりまちまちである。

1、についてはこの状況が分からないのなら「そもそも黙ってろ!」といいたくなる。

3、については法規制は確かに最小限にすべきという考え方はある。
むやみに厳しい法規制は人の自由を不当に奪うことにもなる。だけれども規制しなければ危険なことだってある。
その恒例が、2週間ほど前に起きた一連のバス事件である。

このような「取引」(れっきとした取引である)から子どもを守るために、規制はやむをえないだろう。
本来は、商売を提供する側のモラル(儲かれば法に触れなければ何をしてもいいわけではない)こそ重要なのだが、
それを期待するのは「子どものしつけ」に期待するよりも難しいと思う。

車庫証明の根拠法である「自動車の保管場所の確保等に関する法律」が公布されたのは昭和三十七年六月一日である。
このような法律が必要とされたのは、道路を自分の車の車庫代わりにすることが蔓延したからであり、それを防ぐために自動車を持つものは、自分の車を普段止めておく所を決めておいて警察に確認してもらいなさい・届出なさいということになった。

昭和37年といえば戦後17年程度で自動車はまだそれほど一般に普及していなかったはずである。
それでもこんな法律を作らざるを得ないというのは…。国にそうさせたのは「モラルの無い者」たちのせいである。

もっとも、行政書士としては、当時は「車庫証明(申請)で家が建つ(くらい稼げる)」といわれたらしい。
今ではとても考えられない話である。

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太平洋を渡ったハーレーダビッドソンとレストア魂

数日前のニュースで流れたように、東日本大震災の際に流された宮城ナンバーのハーレーダビッドソンがカナダに漂着した。

コンテナの中に入った状態で発見されたとのことで、「なんでコンテナの中に?」という意見が非常に多かった。
もともと車のコンテナやハコとして使われていたものを、車としては廃車して使わなくなったのでそのコンテナを倉庫代わりに転用して使う…という方法があるし、中古コンテナ市場というのもちゃんとある。
このコンテナを倉庫・車庫代わりに使うというのは地方ではよくある話である。
但し、大きさがかさばるので、それなりの広さの土地があることが必要。都会では事実上不可能だが、地価の安い地域ではこのコンテナ本体の代金と輸送費だけですむのでかなりお得である。

さらに宮城という地域柄、冬はバイクに乗れないのでコンテナはそのままいい保管場所になる。
塩害対策にもなるし、防犯的にもよい。

カナダのメディアの写真から見ると、このコンテナはもともと保冷車のものであるように思う。保冷車であれば断熱材を多用しているので、それも浮力になったのだろうと思う。

中のバイクを見る限り、塩害でかなり錆びてはいるが、復活(レストア…restore)させることは可能だと私はすぐに思った。

はっきり言って、これくらいの状態であれば新品を買ったほうが安い。
これをレストアしようするのなら、このバイクで「触らない部品は無い」くらい分解しなければならないことは間違いない。
エンジン内部までも海水が入っているのは確実だし、エンジンオイルも水分に触れて乳化反応して使い物にならないことは間違いない。

単に「経済的合理性」でいうのなら新品を買ったほうがいい。常識的なことである。
しかし、バイクに魅せられた者はそうは考えないであろう。私もその1人である。

…そう考えているうちに、このハーレーダビッドソンの持ち主が判明した。バイクは流され、家族を3人亡くした上、いまだ仮設住宅住まいだという。

このことが判明したら、日本国内よりも、カナダ・アメリカのマスコミ、国民の方が大喜び。
この時点でハーレーダビッドソン本社が何らかのアクションをすると思った。
次の文章はハーレーダビッドソンの人が書いたツイッターの一部の意訳である。
「津波で流されたハーレーの持ち主が判明した。復活させてやるぜ!」

もしハーレーダビッドソン本社の動きが遅かったら、全米のハーレーマニアがこのバイクを勝手に直すだろう。それも何も対価を要求せずに。

これは「モノを大切にしよう」などというレベルの話ではない。
「大切にされてきたモノには魂が宿る」という考え方は日本人特有のものであるらしい。
自分が思うに、バイク好きの(というかレストア好きの)人のもっている魂が燃え上がるのではないのだろうか。

結局、ハーレーダビッドソン本社がすばやく動いて、発見したカナダ人からバイクを引き取り、それを日本支社に送りそこで修理(レストア)するという手はずになった。なお、これらにかかる費用は無料であるとのこと。

この行為は、結果的にハーレーダビッドソンの宣伝になるとは思う。しかし、あくまでも「結果的に」である。
彼らの燃え上がった魂はいちいちそんなこと考えないだろう。

こういう考え方は一般に理解されないかもしれない。特に、人間の感情を無視した合理化(それも仕事上だけではなく、私生活上にまでそう考え、また他人にそれを強要する)こそ正義と考えている者からすればただの大馬鹿者とみなされるだろう。

私は一般に理解されないのは無理もないことだと思うが、後者については心底軽蔑する。

このハーレーダビッドソンがレストアされても、所有者は仮設住宅住まいである。置く場所が無いというが、置こうと思えば置けるだろう。それ以上に問題なのは、周りの嫉妬の目だと思う。
この種のバイクは車両価格で軽自動車どころか普通車が買えるくらいすることが珍しくない。そして同額の自動車と違って一般的に「ぜいたく品」とみなされる事が多い。

さらに、今の状態だと車両を維持する諸費用(保険なども含む)も捻出が難しいと思う。
この点については、この車両を購入したバイク店が無料で保管してくれることとなり、無事に解決した。
再度ナンバーをつけて走れるようにするわけでないのであれば、オーナーの費用負担は無い。

ちなみに、私自身はバイク乗りであるが、ハーレーダビッドソンというバイクが、それ以外のバイクと比べて特別なものとは思っていない。「いつかはハーレー」とも思っていない。
一方で国産車至上主義でもない。

自分のバイクは、自分のところに縁あってやってきたバイクなんだから大切にしようと思う。それだけである。

もし自分のバイクが同じような目にあったとしたらやはり直そうとすると思う。
自分のは、部品供給が止まっているものも結構あるので、それはネットオークションで探し出して調達したり、磨いたりして再度使えるようにする。

事故で壊した(壊れた)としても、フレームさえ無事ならやはり同じことをするだろう。

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プロフィール

大塚 義行

Author:大塚 義行
平成21年4月から新潟県田上町で行政書士として開業いたしました大塚義行と申します。
(行政書士登録番号09180501号)
これに加え、平成28年10月から同所で社会保険労務士としても開業いたしました。
(社会保険労務士登録番号15160011号)

昭和51年(1976年)7月24日生まれ。
平成11年(1999年)に地元の大学を卒業。

紆余曲折を経て現在に至ります。

メールアドレス gyousei_ohtsuka-office.jp
(社労士業務用)sr_ohtsuka-office.jp
(注:メールアドレス中の_を@と変えてください。スパムメール対策です。)

URL
http://gyousei.ohtsuka-office.jp/index.html
twitter
https://twitter.com/ohtsuka_office

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