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労働待遇格差に関する地裁判決を読んで

数日前、契約社員が正社員と同じ仕事をしているのに手当などの労働条件に格差があるのは違法として待遇改善を求めた訴訟で、原告の訴えの一部を認容し、一部の格差が違法であるとする判決が東京地裁で出た。

これに対し被告であるこの会社がこの判決を不服とし控訴した。

労働契約法第20条では有期契約労働者であることだけを理由にそれ以外の労働者と差別的待遇をすることを禁じている。

「何をもって同じ仕事をしていると判断すべきなのか」
「どの程度の待遇の違いであれば許されるのか」
が今までまともに議論されてきたとはとても思えない。
なんというか、世間の雰囲気で
「契約社員などの非正規雇用なんだから、正社員よりも待遇が悪くて当然だよね」とか
「正社員になれないのは自己責任だよね」とか
そうやって多くの人を切り捨ててきたのではないか。その結果、結婚できない→少子化問題→高齢化問題 …とさまざまな問題が起きているのではないか。

この先上級審でどのような判決が出るのかは正直分からないが、今までまともに議論がなされなかった(としか思えない)この問題に対し多くの人が考えをめぐらせるきっかけになってくれればと思う。

また、こういう判決が出たということになると、現在非正規雇用の人が自分の待遇に関して疑問や不満がでることは十分予測される。労使関係の紛争は増えていくと思う。

社労士の立場としては、こういう紛争を防止するためにも「正規雇用」と「非正規雇用」のきちんとした定義や事実上の役割分担を明確にした就業規則を作り、きちんと運用するべきだと思う。

私は正社員も、自発的非正規雇用(本当に自分の意思で非正規雇用を選んだ)も非自発的非正規雇用(正社員になる意思はあるもののやむなく非正規雇用を選ばざるを得なかった)も経営者(私の場合は個人事業主)も経験している。

だから、どの立場の境遇も分かるし、言い分も分かるつもりではある。
こういう経験は、社労士として事業主に依頼され就業規則の作成、見直しをするときに大変役に立っている。就業規則案を作成してみたら、上に挙げたさまざまな立場の人の気持ちになってその案の文言を読み、それを運用したら自分はどうなるのか想像力を働かせるのである。最終的にどの立場に立ってもある程度納得いくようなものができたら、その会社の労使に説明し、労使共に納得してもらい、就業規則の作成、変更手続きをするのである。

大塚行政書士社労士事務所
http://gyousei.ohtsuka-office.jp/index.html



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新潟県社労士会の「会員のひろば」に掲載されました

新潟県社会保険労務士会会報 社労士にいがたの第147号(9月1日発行)の「会員のひろば」に私の文章が掲載されました。
…というか、7月半ばにとある会合に出たときにいきなり「大塚さん頼むよ~」ってノリで…って感じだったんですが。

で、何をネタにしようかと思いましたが、無難だが重要なことにしようと思いました。
題名は「暑いときはエアコンを使いましょう」としました。

ここのところ平気で35度を超えたり、熱中症での救急搬送や死亡が続いています。
私が小学生のころは30度を越えると「猛暑」という感じでした。
一方、30年も前の感覚のまま、「昔はこんなに軟弱じゃなかった」「クーラーになれると汗が出なくなる、そのほうが危ない」
とかという意見もかなりあります。

社労士会に提出した原稿は当たり障りのないことしか書いていませんが、本気で言いたいことを書くとこれの3倍くらいの文章量になります。だから結局原稿のほうでは「昔と今では気候が違う」「エアコンの28度設定はそもそもおかしい。28度に設定するのではなく、部屋を28度にするようにしなければならない。大体この28度だって暑すぎる」「高齢になれば気温変化を感じにくくなる」
程度しか書いていません。
 ちなみに昔の話をしているときは「クーラー」、今の話をしているときは「エアコン」と呼び分けています。

本当は、28度設定に何の根拠があるのか?あるとしても事務所衛生規則の「事務所の気温は28度以下になるようにすること」だろうか?昭和50年初頭であれば、クーラーなしの扇風機のみの事務所であっても当時の気候を考えれば達成しうる気温なのかなぁ…とそれでこの温度に設定したのだろう。とか、
節電という大義名分を使ってエアコン使うべき時に使わず労働環境悪くしている、それでいて社長室と応接室だけは冷やしすぎなくらい冷やしているところ多いんじゃないの?とか、多方面に問題提起していました。

この原稿が会報になって、郵送されてきたのが9月1日だったので、ネタ的には時季を逸したのかな…とも思ったのですが、まだまだ油断は禁物なようです。気温が30度以下になったとしても、部屋の中がそれなりの気温になるケースがまだまだいくらでもあります。

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プロフィール

大塚 義行

Author:大塚 義行
平成21年4月から新潟県田上町で行政書士として開業いたしました大塚義行と申します。
(行政書士登録番号09180501号)
これに加え、平成28年10月から同所で社会保険労務士としても開業いたしました。
(社会保険労務士登録番号15160011号)

昭和51年(1976年)7月24日生まれ。
平成11年(1999年)に地元の大学を卒業。

紆余曲折を経て現在に至ります。

メールアドレス gyousei_ohtsuka-office.jp
(社労士業務用)sr_ohtsuka-office.jp
(注:メールアドレス中の_を@と変えてください。スパムメール対策です。)

URL
http://gyousei.ohtsuka-office.jp/index.html
twitter
https://twitter.com/ohtsuka_office

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